日本の介護業界はどうなっていく!?介護業界の今後の動向と求められる人材とは。

働き方
2018.09.25
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さかのぼること約8年前の2010年、65歳以上の高齢者の割合が全人口の21%を超えて超高齢者社会に突入した日本。
2018年の最新の統計によると高齢者の割合は全人口の28.1%と8年前に比べてさらに高齢化が進んでいることがわかります。
そこで今回は、高齢化により今後も市場規模の拡大が予想される介護業界の動向や変化とそれに伴って必要とされていく人材についてご紹介していきます。

出典:総務省

日本の高齢化の現状と介護の市場規模

日本の人口は2011年以降減少しているのにたいして、高齢者は毎年増加しており、昨年に比べて今年も44万人の高齢者が増加しています。また、この状況は今後も続くと考えられており、2040年頃に第2次ベビーブームの世代が65歳を超えることにより、ピークを迎えると考えられています。

出典:総務省

また、介護保険法が2000年に施工されて以来、民間企業が介護に参入することが可能になりました。そのため高齢者の増加に伴い様々な業界の企業が介護に参入し、現在介護の市場規模は大きく拡大し続けています。

介護業界が迎える「2025年問題」とは…

団塊の世代が75歳以上の後期高齢期を迎える2025年。日本での高齢者の割合は全人口に対して30パーセントを超えることになると予想されています。これは国民の約3分の1が65歳以上の高齢者だということになります。

高齢者増加に伴い、介護を必要とする人の数も増加していくことが考えられるため、2025年に向けて介護業界の需要はさらに増え続けると予想されています。またその反面、深刻な介護士不足も懸念され、介護業界では今大きな問題となっています。

 

深刻化する介護現場での人材不足

上記でも説明した通り今、介護業界が直面している一番の問題は「人材不足」。
ここ数年、介護サービスを受ける利用者の方の増加に伴い、さらに事態は深刻化しています。年々、介護現場で働く介護士の方は増加しているのですが、高齢者の数には追いついていないのが現状です。このままの状態だと2020年には約13万人、2025年では約37万人の介護士としての人材が不足するとも言われています。

出典:厚生労働省

首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)での介護士不足が深刻、今後最も不足すると予想されているのは東京都

人口も多い首都圏では、常に介護現場では人材不足という問題を抱えている施設や事業所が多いのが現状です。特に東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と呼ばれる場所では、2025年に向けて高齢者人口の割合は今後も急速に増加していくと予想されていて、この問題はさらに深刻化すると懸念されています。
そのため、介護士を求める求人も首都圏を中心に年々増加しています。今後もさらに介護士の方の求人は増え続ける予想で、政府も2019年の消費税増税に伴い介護職員の処遇改善の実施を予定するなど、人材不足の解消へと動き出しています。様々な面で介護士の方の働く環境の改善に目が向けられてきているのです。

「介護職員処遇改善加算」とはどんな制度なのか

勤続10年以上の介護福祉士、8万円賃上げって全額?介護福祉士以外の介護職は対象外なのか。過去からみた処遇改善

上記でも出てきた”介護職員の処遇改善加算”とはどういった意図で作られたものなのでしょうか。

こちらの「介護職員処遇改善加算」制度が初めて施行されたのは2012年のことでした。高齢化が進み、介護現場の人材不足を深刻に捉えた国が、介護士の方がもっと働きやすくなり離職率を下げるための職場づくりを促すために登場した制度になっています。施設や事業所によって加算金額は変わってきますが、こちらの加算された支給金額は介護職員に還元することが義務付けられているため、介護士の方のモチベーションの上がる制度になっています。

また、こういった処遇改善加算を取得するためには、職場環境や介護士の方の賃金なども整える必要があり施設や事業所の頑張りも必要になってくるのです。

人材不足解消のために今後の展望として政府が「介護ロボット」に力を入れ始めている…!

介護ロボットの導入で介護業界はどう変わる?介護職の働き方にも影響

政府が介護士の方の負担を軽減するために創設した「介護ロボット等導入支援特別事業」。
介護業界では、利用者の方の移乗介助や入浴介助などで腰や膝を痛めて離職してしまう人も少なくないのが現状です。そのため政府や自治体では、少しでも介護士の方の負担軽減や働きやすい環境づくりのため介護ロボットを導入するための経費を一部助成する仕組みになっています。

また、現在導入され始めている主なロボットは、移乗を手伝ってくれる”移乗支援ロボット”や利用者の方の歩行を手助けする”アシストカート”などが登場しています。
近い将来、介護業界ではロボットと協力しながら仕事をするという時代が来るのかもしれません。介護士の方の負担を減らし、少しでも人材不足の解消に繋がっていくことに期待したいですね。

出典:厚生労働省

 

介護業界で今後求められる人材とは

これから介護業界に挑戦しようと思っている方、すでに介護士の方で今後キャリアアップを望んでいる方など様々な方がいると思いますが、これからの介護業界のニーズに答えるためにはどうしていったらいいのでしょうか。

資格を取得して有資格者になる。

介護職員初任者研修

介護の仕事をするにあたり一番基本になる資格が「介護職員初任者研修」。
以前は「ホームヘルパー2級」と呼ばれていた資格ですが、2013年の介護保険法の改正で名称が変更されました。
こちらの資格は未経験の方はもちろん、学歴や年齢も不問なので誰にでも受けることができます。
無資格でも就業可能という施設や事業所もありますが、こちらの資格は保有していると介護の基本的な知識が身に着くため、仕事もしやすいでしょう。また、給与アップや今後のキャリアアップも見えてくるため、介護に携わる方にはぜひ取得をおすすめします。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士の取得を視野に入れている方には重要な資格になってくるのがこちらの「介護福祉士実務者研修」。
初任者研修よりもさらに深く介護の知識を得ることができます。
また、2017年より介護福祉士の受験資格が「実務経験3年以上」に加えてこちらの実務者研修の修了も義務付けされました。
今後、介護福祉士取得などキャリアアップを目指す方にはとても大切な資格となってくるでしょう。

介護士としての第一歩!介護職員初任者研修の全てをご紹介します

介護福祉士

介護福祉士系の資格の中で唯一の国家資格がこちらの「介護福祉士」。受験資格が定められている資格になっており、受験資格を手にいれるにはいくつかのルートがありますが、働きながら資格取得を考えている方は介護の”実務経験3年以上”と”実務者研修終了”の実務経験ルートがおすすめです。

こちらを取得することにより、仕事の幅も増えて介護のプロとして自信を持って仕事をすることができます。
また、グループホームでの生活相談員や現場でのリーダー業務など、介護福祉士だからこそできる仕事も増えてきます。
資格取得には、それなりの勉強も必要ですが、今後さらに介護を必要とする方が増えていく中で、こちらの資格は待遇面でもかなり有利な資格になりそうです。

出典:社会福祉振興・試験センター

介護福祉士になる方法、資格取得後の働き方、仕事の魅力について

介護支援専門員(ケアマネージャー)

介護業界でもよく耳にする「ケアマネージャー」。ケアプランを作るのがメインの仕事になってくるので、今までとは違う新たな視点で介護に向き合うことができる資格になっています。

こちらの受験資格は介護福祉士・社会福祉士・看護師など国家資格をもち、その持っている資格の業務に従事した期間が5年以上”や相談員としての”相談援助業務に従事した期間が5年以上”など、少しハードルは高く感じますが、自分の作成したケアプランによって介護を受ける利用者の方の生活に変化が見られた時などに大きなやりがいを感じることができます。

出典:全国社会福祉協議会

生活相談員とケアマネージャーってどんな仕事?具体的な仕事内容から給与まで細かくご紹介します!

 資格も経験も必要だけど介護業界が一番求めている人材とは…?

上記で紹介した通り、介護には様々な資格があり、資格を保有しておくと知識だけではなく、回りからの信頼や給与アップにも繋がることがわかりました。
しかし、介護士の方は資格や経験だけがあればいいのでしょうか…。実際に介護現場で働いていた筆者が考える介護士の方に一番求められているのは資格や経験だけではなく、利用者の方に対して丁寧で心のこもったケアをするということのように思います。自分より年上であり、今の世の中の基盤を作り上げてきてくれた方々でもあります。敬う気持ちを忘れずに接することが大切なように感じます。
そして今後さらに需要が伸び、拡大していく介護業界では知識や経験のある人は後輩育成や、今後介護業界が直面するであろう様々な変化に対応できる力も大切な仕事となってきそうです。まだ介護業界の経験が浅い人も自分は介護のプロになる!という強い志しを持った人が求められてくる時代になるでしょう。

 

まとめ

今後さらに高齢者の増加に伴い、需要が求められる介護業界。

重労働、ストレスが溜まるなどマイナスな面ばかり見られがちな介護職ですが、どの業界を見ても今、こんなに勢いがあるのは介護業界くらいなのではないでしょうか。そして仕事をしながら普段なかなか関わることのない高齢者と関わりを持ったり、専門的な知識を得られたりと魅力的な部分もたくさんあるのです。

そして「2025年問題」をはじめ、介護ロボットの本格的な導入や大幅な処遇改善の実施など、いよいよこれから介護業界は大きな変化を迎える転換期に突入します。今後、介護業界がどのように進化していくのかも楽しみですね。

 

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